繊維製品のほとんどは、染料か顔料で着色されています。
この着色することを染色といいます。
染色は目的の色に着色するだけでなくて、日光の紫外線の影響や洗濯の影響、着用時の摩擦などにより色が薄くなったり(退色といいます)、違う色に変化したり(変色といいます)しない事が大切です。 |
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衣類の色の丈夫さを
染色堅ろう度といいます。
染色堅ろう度は、日本工業規格(JIS)で試験方法と等級が決められています。
【精練】
繊維にはいろいろな不純物が含まれていて、紡績等の段階で加えられた油剤や糊剤、作業工程で付着した機械油、サビ、ほこり等が含まれています。
染色加工の効果を発揮するために、これらの不純物を除く必用があります。
この工程を洗練といい、繊維の種類によっていろいろな精練法があります。
【漂白】
漂白は精練後にも残っている微量の色素や不純物を化学的に分解して白くする為に行う工程です。
繊維により酸化漂白剤か還元漂白剤を使い分けて使用されています。
漂白について詳しくはこちら
また、布は精練、漂白後にもわずかに黄褐色に見えます。このような繊維をより白く見せる為に
蛍光増白剤や青味つけ剤を使用します。
【後処理】
漂白や染色後に余分な染料や不純物を落すために行われるソーピング処理(洗濯処理)。
染色堅ろう度向上の為の
*フィックス処理や繊維の摩擦抵抗を低下させる柔軟処理などの工程があります。
*フィックス処理:洗濯等で染料が脱落するのを防ぐために行う処理。
染料を水に溶けにくくして染色堅ろう度を向上させます。
綿や糸の状態で染める
先染めと織編物や製品になってから染められる
後染めに分けられます。
先染めには、紡績原料の短繊維の状態で染色するバラ毛染め、綿の状態で染めるトップ・トゥ染め、糸の段階で着色する糸染めなどがあります。
後染めは、編物、織物にしてから染める方法。
少量多品種や敏速に注文対応ができるのでもっとも広く行われ、
浸染と
捺染があります。
【浸染(しんぜん)】
染料を溶かした染色液の中に織編物、製品を浸して染色する方法です。
無地染め、反染めともいい、染料は繊維の内部まで入り込み、化学的な結合や親和性で固定されます。 |
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【捺染(なせん)】
捺染は、印刷とよく似た原理で。染料や顔料にバインダー(ノリ)を加えて生地に印刷して、蒸気や熱風で加熱して固着させる方法ですプリントともいいます。 |
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【インクジェット捺染】
近年では、捺染技術もデジタル化が進みカラーインクジェット捺染プリンターが開発されています。
注文に対するクイックシステムや小ロット生産の対応するメリットがあります。 |
参考文献 ・よくわかるクリーニング講座 ERC出版 (財)全国生活衛生営業指導センター編著 ・繊維製品の基礎知識 (社)日本衣料管理協会 ・繊維商品めんてなんす研究会 基礎化テキスト |
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