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【状況】
炎天下でジョギングを4,5時間行ったら、部分的に変退色をしていることに気付いた。
洗濯は一回も行っておらず、新品に近い状態。
商品名:スエットパンツ
素 材:綿 100%
【現象】
変退色は、両膝から大腿部付近と両ポケット口周辺などに発生しています。肌への接触が頻繁な部分に認められ、生地の濃紺色が赤茶色に変退色しています。変退色の裏面は、変退色はしていません。
【調査内容】
@ 変退色は、汗が生地に移行しやすいところに発生しています。変退色は、生地の裏面には認められないことは、光やガスによる変退色の特徴ですが、今回の事例品は、窒素酸化物などによるガス退色の可能性は、ほとんどないと考えられます。
上記ののことから今回の苦情品は、日光と汗による複合的な変退色と推察されます。
A 同種新品生地による染色堅牢度試験結果
JIS試験方法 |
染色堅牢度 |
耐光 |
L 0843 |
4 |
汗・耐光(酸性) |
L 0888(B法) |
3−4 |
汗・耐光(アルカリ性) |
3−4 |
汗(酸性) |
L 0848 |
5 |
汗(アルカリ) |
5 |
洗濯 |
L 0844(A−2号) |
5 |
*染色堅牢度の等級は、5級(強)〜1級(弱)まで、中間段階(例3−4級)も含めて、9段階に分類して表示。
B 分析
JISの方法による耐光や汗・耐光試験(B法)では、変退色は得られませんでした。汗液と照射光源の種類を変え、試験を行いました。汗液としてATTS人工液や人体からの汗液を使用した試験では、苦情品に近い変退色が再現できました。
汗液は人工液や人体汗液によって今回の事例と同等の変退色が再現出来ましたので、今回の事例の衣類は、汗と日光による変退色と判断して良いでしょう。スポーツなどに着用すると思われる衣類は、生地生産時に、ATTS人工液や人体からの汗液を使用した事前試験を行うことで、このような事故対策になると思われます。
「参考」
社会法人日本衣料管理協会 繊維製品の苦情処理技術ガイド
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