縮んだニットの伸ばし方/洗濯の基礎知識/洗濯・染み抜き・クリーニングの大辞典
洗濯・染み抜きドットコム
 HOME > 洗濯講座 > 縮んだニットの伸ばし方
洗濯講座

衣類は、着用すれば、大なり小なり必ず、汚れてしまうので洗濯は必要不可欠です。
「これは、家庭で洗濯できるの?」「家庭で洗濯して大丈夫かしら?」「家庭洗濯での洗濯方法は?」などと家庭の洗濯について悩んでいませんか?

そんな悩みに洗濯のプロが家庭洗濯の疑問や洗濯のコツ、洗濯の裏技などにお答えします!
染み抜き方法

「家庭でも染み抜きができる?」「染み抜きのポイントは?」「家庭で使える染み抜き剤は?」「染み抜きの注意点は?」「染み抜きについて知りたい」など

そんな家庭での染み抜きについてプロの染み抜き方法や裏技をお答えします。
衣類のケア方法

衣替えの季節、いざ、着用しようと衣類を出してみると虫食いや黄ばみやカビの発生やシワクチャになっていたり・・・・・・って経験はありませんか?

そんなことにならないように、衣類の収納術(保管)と日々のケア方法のコツや裏技をクリーニングのプロがお伝えいたします。
洗濯石鹸・洗剤講座

「どうして洗濯に石鹸・洗剤は必用なの?」「石鹸と合成洗剤はどちらが環境に悪いの?」「洗濯用漂白剤と洗濯洗剤の違いは?」「洗濯石鹸、洗濯洗剤の使用方法は?」

など、洗濯石鹸、洗濯洗剤についてお答えします
衣類の素材

繊維の種類?繊維の特徴は?」「家庭で洗濯できる繊維は?」「 繊維の洗濯での注意点は?」「繊維によって洗濯方法や染み抜き方法が違うの?」「染み抜きできない衣類もあるの」

など、繊維や衣類についてお答えします
クリーニングについて


「ドライクリーニングって家庭洗濯とは、どう違うの?」 「良いクリーニング店と悪いクリーニング店の違いは?」「染み抜き上手なクリーニング店は」 「クリーニング店は、どんなふうに洗っているの?」 「良いクリーニング店を教えてほしい」


など、クリーニングやクリーニング店についてお答えします

全国こだわりクリーニング店

おすすめクリーニング店

クリーニング店はお店によって全然違うんです。だから、信頼できるクリーニング店を見つけるのがとっても大切!安心・信頼のこだわりのクリーニング店をご紹介いたします。


染み抜き・着物・革・バック・靴などクリーニングの達人が勢ぞろいです。































































































































 縮んだニットを元のサイズに戻す方法をご存知ですか?

ウールのニットを綿やポリエステル素材の衣類と同じように洗濯機でグルグル洗うと間違いなく縮んでしまいます。

ドライマークのウール素材のニットなどの縮まない洗濯方法は、水の影響(型崩れや縮みなどの発生)を最小限にする工夫することです。
ポイントは、
水でぬれている状態で動かさないこと使用する洗剤を選ぶことです。この2つを守ることがウールのニットを縮ませないポイントなのですが…

ウールの構造


しかし、クリーニング店ではウールのニットが縮んだので伸ばして欲しいという依頼が結構あります。
ということは、洗濯で失敗してウールのニットが縮んで困っている方が多いということです。

一度縮んだウールのニットは元に戻らないと思っていませんか?

実は簡単に元に戻る方法があるのです。


ここではプロのクリーニング店でおこなっているウールのニットの伸ばす方法をお伝えしたいと思います。

 えっ!縮んだニットを元に戻す方法があるの?
 



 プロのクリーニング店でのニットの伸ばし方

試しにカシミヤ70%、毛20%、ナイロン10%のニットを市販されている弱アルカリ洗剤を使用して
肌着などと同じ洗い方でドラム式洗濯機でグルグル回してみました。

すると…見事に子供サイズに縮んでフェルト化してしまいました。


*写真は色が違って見えますが同じニットです

袖丈3cm、丈は約10cm以上縮んでしまいました。
また、風合いも硬くなりがさついて、とても着用できる状態ではありません。

このニットを使ってある方法でどれくらい伸びるかを実験してみました。


家庭でのニットの伸ばし方を説明する前に、まずプロのクリーニング店で実践している
ニットの伸ばし方をご紹介しましょう!

このような縮んだニットを伸ばす場合は、衣類を伸ばしやすくするシリコン系のモノを
衣類に吸着させると非常に伸びやすくなります。



【プロの縮んだニットの伸ばし方】

プロのクリーニング店ではこのような場合に専用のシリコン入り洗剤や柔軟剤を使用して元に戻します。
*一般的なドライマーク用の洗剤ではシリコン剤の量が少ないので元に戻りません


シリコンがタップリ入った洗剤や柔軟剤を水で溶いてその中に衣類を入れシリコンを衣類に吸着させます。


そして軽く脱水後、さまざまな機械などを使うか干し方を工夫して元のサイズに戻します。要は衣類を戻したいサイズに引張りながら自然乾燥させると元に戻るのです。

このプロのクリーニング店でおこなっている方法は、ダンボール(アクリル板)などを伸ばしたいサイズにカットし下記の図のように縮んだニットをかぶせて固定させて乾燥させて伸ばします。


 
※素材。編み方、縮み具合によっては戻せないケースもあります



【ダンボールを使用したニットの伸ばし方】

① ダンボールを伸ばしたいサイズに切ります。

セーターだと胴、右腕、左腕と3つのパーツを作ります。

ゴム編部分は伸びないように少し細く切ります。
ダンボールのサイズが大きいとゴム編み部分が伸びすぎてしまいます。


ニット類は乾燥後に約1cmくらい縮むのでダンボールを少し大きく作るのがコツです。


② ニットのサイズに切ったダンボールにかぶせます。

シリコン入り洗剤などで衣類にシリコンを吸着させて、軽くすすぎ・脱水後にダンボールにかぶせます。


ダンボールが汚れているとニットが汚れるのでダンボールを拭いてからニットをかぶせてください。



③ そしてダンボールとニットを洗濯バサミなどでとめます。

ダンボールとニットをとめるには大きな面の洗濯バサミでとめるのが理想です。できるだけ大きいサイズの洗濯バサミを使用してください。

そしてそのまま自然乾燥をして完了です。

ちなみに大きな面の洗濯バサミは100円ショップで販売しています。
理想は上記の写真のプロのクリーニング店が使用しているような洗濯バサミが一番ですが右のような洗濯バサミでも代用できます。

また衣類の大きさのダンボールがない場合は、販売店などでお願いすると分けていただけると思います。


 この方法なら家庭でもできるわね!
 でも、シリコン入りの洗剤や柔軟剤は手にはいるの?

 


 家庭でのニットの伸ばし方


基本的にプロが使用しているシリコン剤入りの洗剤や柔軟剤は、一般家庭では手に入れることはできませんが…
でもプロが使用しているシリコン剤入りの洗剤で家庭でも手に入る洗剤が1つだけあります。

その洗剤はプロ・ウォッシュ というドライマーク専用洗剤です。



プロ・ウォッシュという洗剤で洗浄することで衣類にアミノシリコンという最高級のシリコンが衣類に付き衣類を伸びやすく風合いよく仕上げることができます。
プロ・ウォッシュをお持ちでない方は、
髪の毛用のトリートメント(ジメチコン)を使用すると同じような働きがします。
トリートメントにはジメチコンというモノが含まれているのですが、このジメチコンもシリコンなので(シリコンの種類はたくさんあります)衣類を伸ばす効果があるのです。基本的にシリコンはウールによく吸着します。

トリートメントでの縮んだニットの伸ばし方は、基本的にぬるま湯(水)にトリートメントを入れます。使用量は基本的に柔軟剤と同じくらい分量で問題ないですが衣類により少し多め入れてください。(5ℓで約5cc~)

トリートメントをよく溶いてその中に縮んだニットを入れ、約5分ぐらいつけこみます。


チューブタイプのトリートメントは溶けにくいので熱めのお湯に溶かしてから水を入れて冷まします。

そしてシリコンを含ませたニットを元に戻したい大きさに引張れば元に戻すことが可能です。

【干し方例】

干し方や引張り方は、ニットの縮み具合に合わせてその力を調整します。

縮み方が少しの場合ならプロがおこなっているダンボールを使用した方法でなくても下記の方法でもある程度伸びます。例えば、ハンガーにかけて干すだけでも水とニットの重みで伸びますし…
下記の写真のように重しを使って干せばその重みでニットがより伸びます。
ニットの縮み具合に合わせて干し方をいろいろ工夫してみてください。



*この方法は縦方向は伸びますが横方向は伸びません。

ちなみに今回テストしたカシミヤのニットは、非常に激しく縮んでいるので
縦方向は約6cm伸びましたが袖や横幅はあまり変わりませんでした。

この方法で伸びない非常に激しく縮んだニットの場合は、ダンボールを使用した方法をすると
より縮んだニットを伸ばせます。
*フェルト化したニットの風合いは元にもどりません

また、どうしても元に戻らない場合は、仕上げ自慢のクリーニング店にご相談下さい。
プロのクリーニング店では専用の小道具があるのでより伸ばすことが可能です。


 トリートメントも有効なんだ!
 これならどこの家庭でもできるわね。
 でも、大切なことは縮まないように洗うことよね!
 


Copyright (C) 2006 洗濯・染み抜きドットコム, All rights reserved.