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洗濯洗剤を入れすぎていませんか?
確かに洗剤をたくさん入れると、汚れ落ちが良くなるように感じますが、実は洗剤をたくさん入れても汚れ落ちはほとんど変わることはありません。洗剤の量と洗浄力は比例しないのです。
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一般的な合成洗剤の場合は洗剤の濃度が0.1%程度のところが一番汚れ落ちが良く、それより多く洗剤を入れても汚れ落ちがよくなるどころか悪くなる場合もあるからです。
この洗剤濃度が一番取れる濃度のところを限界洗濯濃度といいます。
※右の図は、洗剤濃度と洗浄効率を示した図 |
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石鹸や洗剤の入れ過ぎは、すすぎ時に多量の水を使うことになり、特に石鹸を使用した場合は大量の石鹸カスを衣類に付着させることに黄ばみの原因になります。また、石鹸・洗剤の使いすぎは洗剤の排出量を増やして水質汚染の原因にもなります。 |
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石鹸・洗剤の量は、必用にして最低限の量に抑えることが大切です。
適切な洗剤の量は、各メーカーが明記している使用量を守ることが大切です。メーカー指定の使用量は、一番洗浄力が発揮できる濃度に設定されていると考えられるからです。汚れがひどい場合でも洗剤を沢山入れるのではなく、2度洗いする方が効果的です。
ペーハー(pH)とは…
洗剤(洗濯液)などの酸性度、アルカリ度を示す記号のことで値が小さいほど酸性(pH1〜pH6)が強くて大きいほどアルカリ性(pH8〜1pH11)が強くなります。中性は、pH7で中間の位置になります。
※右の写真はペーハーを測定する試験紙です |
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ちなみに家庭用品品質表示法では洗剤のパッケージに記載している成分表示の液性は、pH8〜pH11以下を「弱アルカリ性」と記載しpH11を超えるものを「アルカリ性」と記載するように定められています。
基本的に汚れは酸性のモノが多いので、アルカリ性で汚れが良く落ちます。
多くの洗濯洗剤にはアルカリビルダー(洗浄助剤)を配合しpHを高く(弱アルカリ)しています。
その理由は、汚れは酸性のモノが多いので洗濯中に徐々に洗濯液が酸性になってきます。これを防止するためにアルカリビルダーを配合し最後まで洗濯液をアルカリ性に保つようにしているのです。
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試しに一般的に市販されている洗剤のpHを量ってみました。
中性洗剤と同じメーカー・銘柄の液体洗剤と粉末洗剤の弱アルカリ洗剤をメーカーが記載している使用量を洗濯機に入れ、その洗浄液のpHを測定しました。
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@の「中性洗剤」のpHは、約7の中性なのが分かります。
Aの「粉末の弱アルカリ洗剤」は、pH10ぐらいの弱アルカリ性でした。
BはAと同じメーカー・銘柄の「液体弱アルカリ洗剤」ですがpHは、約7のほぼ中性でした。洗剤の原液は弱アルカリですが、実際に使用する浴中では水に薄まりほぼ中性になっているのです。
注目すべき点は、同じ弱アルカリ洗剤でも粉末と液体では、粉末の弱アルカリ洗剤の方がpHは高いということです。これは、粉末弱アルカリ洗剤に使用しているアルカリビルダー(炭酸ナトリウムやゼオライト)を配合しているからです。
これら炭酸ナトリウムやゼオライトは洗濯液をアルカリに保つ非常に優れたビルダーですが、液体洗剤には溶けないので入れることはできません。
洗浄力はpHの他にさまざまな相対効果で決まりますが、pHだけを見ると同じ弱アルカリ洗剤でも液体よりも粉末の弱アルカリ洗剤の方が高いので粉末の方が洗浄力は期待できます。また、アルカリが高いほど洗浄力は上がりますが衣類の色が流れやすくなりますので注意が必要です。
・洗剤と洗浄の科学 中西 茂子 著 コロナ出版 ・石鹸・洗剤100の知識 大巻健男 東京書籍
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